本日のワード「Market」(マーケット)
ラテン語に merx という言葉があります。「品物、財産」を意味しますが、ここから Mercury という語が生まれました。商品(商い)を扱う神様「マーキュリー」です。この神様の名前をご存知の方もいらっしゃるでしょう。アメリカの宇宙船の名前になったこともあります。
さて、この神様は水星の守護神だったので、「水星」の意味にもなりました。さらに、中世の錬金術の時代に「水銀」を意味するようになります。皆さん、昔「赤チン」てあったのを知ってますか。赤チンの商品名は正式には「 マーキュロクロム液( mercurochrome)」と言います。
さて、merx の変化形(ラテン語は名詞が複雑に変化します)である mercesは「賃金」となり、お金で雇われるところから mercenary (傭兵)という語ができました。
勘のいい人はもう気付いたでしょうが、本日のキーワード、「Market」もここから来ました。この単語は merx の動詞 mercare (商う)の過去分詞形で、「商われるところ」というわけです。というわけで、marketing も merx の仲間ですし、merchant (商人) や merchandize (商品)も同じファミリーです。他にも mercantile (商業の) という形容詞、その名詞形の mercantilism (営利主義)もあります。前者は「シカゴ・マーカンタイル取引所 Chicago Mercantile Exchange (略してCME)」を思い出される語です。
また、merces に「共に」の意味のラテン語の接頭辞 com- がついて「商品を共に商うこと」から commerce (商業) 、その形容詞 commercial (商業の)が派生しました。ラジオやテレビの「コマーシャル」は、この形容詞形が名詞に転化したものです。因みに「商法」を表す commercial code/ law という語は覚えておきましょう。
さらに意外なことに、meres は古いフランス語で「商品」から「神の恵み、慈悲」の意味にな
り、mercy という語が生まれました。形容詞形は merciful (慈悲深い)です。
フランス語の「ありがとう」 merci(メルシー)は、「(私によいことしたからあなたに)神の慈悲を」と言うことになります。
ブルガリアの貴族は19世紀フランスにかぶれていたので、ブルガリア語でも「ありがとう」は「merci」というのだそうです。同じくスペイン語では merced といいますが、これを複数形にすると "Mercedes" です。日本ではこの高級車を「ベンツ」と言いますが、ヨーロッパでは「メルセデス」で通っています。ベンツもメルセデスも創業者の名前です。
文:猪浦道夫・天宮徹也(共同執筆)/編集:M&A Online編集部
「ファイナンス(finance)」という言葉は、どこから来たのでしょう。答えは、中世フランス語で「終わる、支払う」を意味する finer が語源です。
減価償却や貨幣購買力の低下を表す「depreciation」の起源は、ラテン語の「pretium(価)」からきています。
PeaceとPayは同じ語源から派生しています。「平和にする」ということがなぜ「支払う」という意味になるのかご存知ですか?
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