産業廃棄物処理などを手がける大栄環境<9336>がM&Aを積極化させている。同社は2024年に入って、サッカーの女子プロクラブ「INAC神戸レオネッサ」を運営するアイナックフットボールクラブ(神戸市)を子会社化したのを含め3件の企業買収(適時開示ベース)に踏み切った。
同社が公表している沿革によると、2020年に実施した産業廃棄物処理などを手がけるセーフティーアイランド(神戸市)の子会社化以来、およそ3年ぶりとなる。
2025年3月期を最終年とする3カ年の中期経営計画では、年平均成長率を5-6%としており、この数値目標に織り込んでいない要素としてM&Aを挙げている。
同社はこれまでも積極的な企業買収で成長してきており、加えて2024年3月期は業績予想を2度上方修正するなど好調に推移していることから、第4弾、第5弾のM&Aの可能性は高そうだ。
大栄環境は、女子プロサッカーWEリーグに所属するクラブ「INAC神戸レオネッサ」の運営会社であるアイナックフットボールクラブを2024年3月1日に子会社化した。
大栄環境はINAC神戸レオネッサをグループ内に取り込むことで、地域住民との関係を深めるとともに、地域経済の発展に貢献し、同社の知名度の向上につなげる。
アイナックフットボールクラブは、女子プロサッカークラブの運営だけでなく、若手選手の育成や小、中学校でのサッカー教室の開催など地域と一体となった取り組みを展開している。
2023年2月期の売上高は4億700万円(前年度比0.97%減)、経常損益は1900万円の赤字(前年度は0円)だった。
大栄環境が、今後どのように立て直すのか、手腕が問われる。
大栄環境は1979年に大阪府和泉市で設立。翌1980年に和泉市内に管理型最終処分場を開設し、事業を拡大してきた。
3年後の1983年に同社創業者が三重中央開発(三重県伊賀市)の株式を取得したのがM&Aの始まりで、その後、主なM&Aとしては、2000年代に神戸ポートリサイクル(兵庫県西宮市)など3社を、2010年代には東北エコークリーン(福島県小野町)など8社を子会社化した。
2020年にセーフティーアイランドなど3社を子会社化した後はM&Aから遠ざかっていたが、2024年になって、アイナックフットボールクラブに先立って、土地開発に関する測量や設計、登記を手がけるシーイーシー(大阪市)と、産業廃棄物の収集運搬を手がける栄和リサイクル(東京都新宿区)の子会社化を決めた。
シーイーシーは、すでに2024年1月に傘下に収めており、同社をグループ内に取り込むことで、最終処分場や焼却場などの熱処理施設の新増設に関する設計や調査業務が機動的に行えるようになる。
また栄和リサイクルは2024年4月1日に子会社化する予定で、同社をグループ化することで、関東圏での産業廃棄物の収集運搬能力を増強できるほか、首都圏に中間処理施設を持つグループ企業の共同土木(埼玉県上尾市)と一体となった運営を行うことで、業務の効率化やシェア拡大が可能になるとしている。

大栄環境は、2024年3月期の業績予想を2023年11月と2024年2月に2度上方修正した。2023年11月時には売上高を4億1800万円、経常利益を24億円引き上げ、2024年2月時には売上高を7億100万円、経常利益を11億2000万円それぞれ引き上げた。
この結果2024年3月期の売上高は722億8200万円(前年度比6.8%増)、経常利益204億9500万円(同22.7%増)の増収増益を見込む。
中期経営計画によると、事業エリア拡大のためのM&Aをメインに据えており、同社の保有施設が少ない地域で、安定した顧客基盤を持つ中間処理事業者の買収に力を入れる方針だ。
好調な業績の中、次のM&Aの時期はそう遠くはないかも知れない。

文:M&A Online

米投資ファンドのベインキャピタルは、傘下の買収目的会社BCJ‐80(東京都千代田区)を介して、キャンプ用品を製造販売するスノーピーク<7816>をTOB(株式公開買い付け)で買収する。
キャンプ用品メーカーのスノーピークが、山や海、川、湖などで活動するアクティビティ体験サービスを提供している企業や、アウトドア用品のレンタルやリースなどを手がけている企業の買収に意欲を見せている。
女性用のファッション商品を手がけるサマンサタバサジャパンリミテッドが、株式市場から姿を消すことになった。2024年7月1日にコナカの完全子会社となり、これに先立ってサマンサタバサは上場廃止になる。
争奪戦の構図となっていた福利厚生代行のベネフィット・ワンをめぐるTOB(株式公開買い付け)の帰趨がはっきりしてきた。
リンガーハットが4期ぶりに営業黒字に転換する公算が強まった。2023年3月から11月までの9カ月間の営業損益が黒字となり、残り3カ月のスタート月となる12月も順調に推移しているためだ。
カフェ「ドトール」の業績が急回復している。ドトール・日レスホールディングスの2024年2月期第3四半期決算で、ドトールの部門利益が30億1400万円となり、前年同期の3.56倍に達した。
DCMホールディングスは、同業中堅のケーヨーの子会社化によって発生する利益76億9400万円を特別利益に計上。これによって当期利益が225億円となり、2期ぶりに過去最高を更新する見通しとなった。
山崎製パンが業績予想を上方修正した。菓子パン部門を中心に販売が好調に推移しているのに加え、包装パン事業を手がけるYKベーキングカンパニーを連結対象とし、特別利益を計上したためだ。
ミスタードーナツなどの外食事業を展開する、清掃用具レンタル大手のダスキンが2024年1月末に、イタリアンレストラン「ナポリの食卓」などを展開するボストンハウスの持ち株会社の健康菜園を子会社化する。
アルファベットチョコなどを製造する名糖産業が、およそ20年ぶりに企業買収に踏み切る。バウムクーヘンやゼリーなどを生産するエースベーカリーを子会社化した2002年以来となる。
女性用のバッグやジュエリーなどを手がけるサマンサタバサが5期連続の営業赤字に陥ることになった。ハリウッドセレブらを広告に起用しブランド価値を高めてきた同社が、水面に浮上できるのはいつになるだろうか。
大手旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS)が、2023年10月期に営業黒字を達成した。コロナ禍の影響が薄らぎ旅行需要が回復したのが要因で、黒字化は2019年10月期以来4期ぶり。
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