もともとデパ地下進出などで、以前よりも親しみのある老舗という印象はあったものの、アサヒビールグループ傘下となって、「なだ万」の名前が前に出てくる機会が増えたのは気のせいではないはずです。アサヒビールの各種キャンペーンや、2016年にはアサヒ飲料からなだ万監修の緑茶が発売されるなど、国内でもそのブランドを駆使した展開を見せています。極め付けは、アサヒビール工場の売店に工場限定パッケージで置いてあるなだ万監修のクリームチーズおかき。こんなところにまで、実は買収の片鱗は表れています。
アサヒグループホールディングスの中期経営方針には、2016年~2018年の指針として「M&Aなど成長基盤の獲得に積極投資」が掲げられています。2016年に、ビールブランド「ペローニ」(イタリア)や「グロールシュ」(オランダ)、「ピルスナー・ウルケル」(チェコ)、「ティスキエ」(ポーランド)、「ドレハー」(ハンガリー)など、次々と欧州のビール事業を巨額で買収したのは、まさにその幕開けともいえる動きです。これらの拠点で来年にでも「スーパードライ」の現地生産を開始するとのこと。なだ万買収で海外に向けてのブランド力を強化し、和食ブームを味方につけたアサヒビール。さらに欧州の販路確保と舞台は整ってきました。果たしてどこまで「スーパードライ」を世界ブランドへと押し上げられるのでしょうか。今年で「スーパードライ」発売30周年という節目を境に、今後もアサヒビールの海外戦略としてのM&Aはますます加速していきそうです。
文:M&A Online編集部
若者のビール離れ、「とりあえずビール」文化の崩壊…。「ビール=苦い」という固定概念を取り払おうと、キリンビールはビールの多様性や個性が楽しめるクラフトビール事業に本格的に乗り出します。
甘く爽やかな味で老若男女に人気な乳酸菌飲料「カルピス」。カルピスは飲料としてだけでなく、M&A市場でも人気者でした。味の素からアサヒグループに親会社が交代し、販売や商品の面で統合が進んでいます。
春到来。花見や新生活スタートなどで集まって飲食する機会も多い。しかし、その席に並ぶお酒や食べ物、選んだお店がどのような戦略でM&Aを行い事業をのばしてきたのか。ふと思いを巡らせてみたい。