ストライク<6196>は5月22日、Tokyo Venture Capital Hub(東京都港区)でスタートアップと事業会社の提携促進を目的としたイベント「第23回Conference of S venture Lab.」を開いた。「これからのスタートアップ・ファイナンスのあり方」をテーマにしたトークセッションやスタートアップ3社によるピッチ、名刺交換会などで交流を深めた。
トークセッションではFUNDINNOの大浦学代表取締役COO(最高執行責任者)と経済産業省経済産業政策局の三藤慧介産業資金課総括補佐兼スタートアップ創出推進室室長補佐が登壇。ABAKAMの松本直人代表取締役がモデレーターを務めた。

松本氏が質問し、登壇者が答える形式で進行。日本初の株式投資型クラウドファンディングサービスを手がけるFUNDINNOがこれまでトータルで資金供給した件数と金額について質問すると大浦氏は「約350社に総額で100億円程度の資金を供給した。平均すると1社当たり3000万円程度」と回答した。
同社が手がけるクラウドファンディング「FUNDINNO」は非上場株式を発行して、インターネットを通じて多くの人から少額ずつ資金を集める仕組み。少額で大きなリターンを得る可能性がある半面、上場と違って経営破綻のリスクも高いため金融商品取引法で厳しい規制がかけられていた。
それが岸田政権の掲げる「新しい資本主義」による投資型クラウドファンディングの活性化で規制が緩和された。具体的には「2022年1月に投資家の1社当たり年間50万円だった投資額の上限が、特定投資家に限り上限が撤廃された」(大浦氏)。
とはいえ「スタートアップ側の年間調達上限額は1億円のままで、アーリーステージ(創業から1〜3年)企業の資金需要にしか応えられない。IPO(新規上場)などのゴールにつなぐには、調達上限額をもっと引き上げる必要がある」(同)と問題提起した。
松本氏は三藤氏に日本のスタートアップ・ファイナンスの在り方について質問。三藤氏は「ファイナンスの多様性が重要だ」との見解を示した。「同時にスタートアップの皆さんが多様なファイナンスから、適切な手法を選べるようになっていかなくてはいけない」と強調した。
具体的には投資型クラウドファンディングのほか「セカンダリー投資(既存の投資持ち分を買い取る投資)やベンチャーデッド(金融機関がスタートアップに対して融資する見返りに、スタートアップが新株予約権を無償で付与する)といった手法がある」と指摘した。
松本氏の「未上場企業への投資市場でのプレーヤーを増やすためにはどうすればいいか?」との問いには、「個人投資家ではリスク管理が難しい。規制緩和で投資信託の15%まで未上場株が組み込めるようになった。こうしたファイナンスの多様性を増やすことで、未上場企業の投資市場を広げていきたい」と答えた。
ピッチでは自社SaaS製品と他のSaaS製品のデータ連携を簡単に実現する「JOINT iPaaS for SaaS」をリリースしたストラテジット(東京都港区)とホテル向けのAI×VR研修ツールのcasaliz(東京都品川区)、歯科事務をオンラインで代行するクラウドバックオフィス事業を展開するSABU(東京都新宿区)の3社が自社のビジネスモデルを紹介。参加者は熱心に耳を傾けていた。
第24回のConference of S venture Lab.は6月19日、住友不動産飯田橋ビル2F GROWTH 文京飯田橋 1stRound BASE(東京都文京区)で「成長戦略としてのM&AとスイングバイIPO」をテーマに、KDDIの中馬和彦オープンイノベーション推進本部長兼ビジネス共創推進室長とCoalisの原田明典ジェネラルパートナーが登壇する。詳細と申し込みはこちら。

文:M&A Online
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