今後、考えられる課題や懸念は、77社のうち「需要増に伴う生産能力の限界」が24社(構成比31.1%)で最多。次いで「原材料の高騰」、「人材の育成・確保」がそれぞれ15社(同19.5%)だった。前年調査で最多だった「原材料の高騰」(77社中24社:同31.1%)を、今年は「需要増に伴う生産能力の限界」が上回り、「人材の育成・確保」も前年に引き続き上位を占めた。
需要増に伴う製造能力の限界を感じているメーカーは少なくない。設備の老朽化対策、品質の安定化などを懸念しているメーカーも多く、慢性的な人手不足も解消されていないようだ。
なかには、製造体制が追いつかない同業メーカーから製造を受託し、OEM(相手先ブランドでの製造受託)製造に取り組むメーカーもあり、各社知恵を絞った経営を模索している。
「その他」の主要な課題や懸念では、「他社ビールメーカーとの競合」が前年の1社から6社(構成比7.8%)に増加。一方、「製品の高級嗜好化」が前年の2社からゼロに減少した。「製品の低価格化」は前年の4社から5社(同6.5%)に増加し、現在の地ビールメーカーが置かれている経営環境、今後の経営の方向性がかすかに浮かび上がっている。
2015年1-8月の訪日外客数は1,287万人(前年同期比49.1%増)に達し、海外から多くの外国人が観光目的で来日している。最近は、中国人観光客が家電量販店やドラッグストアなどで爆買いするシーンを目にすることも増えている。海外観光客の増加によるインバウンド影響を尋ねた。
77社のうち、海外からの観光客の増加による影響は、「特にない」が65社(84.4%)で最多。次いで、「海外観光客への販売が伸びている」が10社(同13.0%)、その他が2社(同2.6%)だった。
航空機の荷物制限と持込制限により、液体物の機内持込が制限される。このため、海外観光客が土産品として地ビールを購入するケースは少なく、観光客は観光地で地ビールを消費するしかない。こうしたことも海外観光客の増加による地ビールの販売量に影響が少ない背景があるようだ。
なお、「海外観光客の増加に押され、地ビールの購入層である日本人観光客が減少し出荷量が減少した」とするメーカーもあった。
「地ビールブームを感じるか」では、77社のうち「やや感じる」が41社(構成比53.2%)で最多。次いで、「大いに感じる」25社(同32.5%)だった。「やや感じる」と「大いに感じる」を合わせて8割超(同85.7%)の地ビールメーカーがブームを実感していることがわかった。これは前年(84.4%)を1.3ポイント上回り、「ブームを感じる」を質問項目に入れた2012年の調査開始以降、最も高い水準だった。
一方、「感じない」は11社(同14.3%)で前年の12社(同15.6%)から微減にとどまった。「感じない」とした11社のうち、2015年1-8月出荷量合計が前年から減少したのは7社(構成比63.6%)に達した。 「感じない」 とした11社の2015年1-8月出荷量合計(348.7kl)は、前年同期(343.9kl)比1.4%増にとどまり、全体平均の14.4%増を大きく下回った。出荷量が大幅に増加したメーカーと、伸び悩むメーカーでは、ブームの感じ方に差が出ているようだ。
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