数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。
「ポストコロナ時代のプライベート・エクイティ」 幸田博人、木村雄治編著、金融財政事情研究会刊
プライベート・エクイティは、未上場企業を対象にした株式投資を指す言葉で、企業の株式の過半数の株式を取得するバイアウト型投資と、スタートアップ企業などベンチャー企業に対するベンチャーキャピタル投資の二つがある。
欧米が先んじて確立した金融機能で、日本ではまだ新しい領域だが、徐々に未上場会社への投資が広まりつつある。

そうした状況の中、本書は、プライベート・エクイティファンドの運営会社であるポラリス・キャピタル・グループの寄付講座として、京都大学で行われた主に2021年度の 「ベンチャーエコシステム」と「プライベート・エクイティファンドと企業価値向上」の二つの講義をベースに、元みずほ証券副社長で京都大学経営管理大学院特別教授の幸田博人氏と、ポラリス・キャピタル・グループ社長で京都大学経営管理大学院客員教授の木村雄治氏が中心となってまとめ上げた。
「ベンチャーエコシステム」では、スタートアップ企業向けエクイティ投資にかかわるベンチャーキャピタル側と、ベンチャー企業側からみた内容をベースにリスクマネー供給について、「プライベート・エクイティと企業価値向上」では、大企業によるバイアウト型投資を通じた経営権の取得と企業価値向上などについて紹介した。
プライベート・エクイティの理解が進むように、産業革新投資機構社長の横尾敬介氏 、東京大学エッジキャピタルパートナーズ社長の郷治友孝氏、日本ベンチャーキャピタル協会会長の赤浦徹氏らのインタビューのほか、 チルド食品の運送などを手がける関東運輸や、油圧モーターなどのメーカーである日本オイルポンプの事業承継などのケーススタディも盛り込んである。
両講義ともに学生の履修登録者が150人を超えるなど関心を集めたという。学生はもちろん、ファンドや投資先企業、投資銀行などの関係者らにも役立ちそうだ。(2022年3月発売)
文:M&A Online編集部
エイチ・ツー・オー リテイリングとオーケーが、関西スーパーを巡って繰り広げた争奪戦をまとめ上げたのが本書。日本企業が株主総会のあり方を考えるうえで、参考になる一冊といえそうだ。
あなた自身がM&Aを検討している場合、あるいは、あるM&A案件の有用性を外部または内部に説明しなければならない立場である場合、「新版 企業戦略論 戦略経営と競争優位(下)」は役に立つだろう。
企業買収は買収成立がゴールではなく、そこがスタートとなる。文化の異なる2社の経営を統合する作業がそこから始まるからだ。本作品はフィクションだが、PMIを追体験できる内容に仕上がっている。
今年も1月~3月の3カ月間で、40冊以上の書籍やM&Aの特集記事を組んだ雑誌が出版されました。
タイ・バーツの急落をきっかけに発生したアジア金融危機の際に、経営が破綻した韓国第4位の銀行である韓国第一銀行を、米国の投資ファンドが買収した。この交渉過程の一部始終を描いたのが本書だ。
2021年に出版されたM&A関連や事業承継をテーマにした本をすべて紹介します。
武田勝頼、上杉景勝、北条氏政ら戦国武将12人が行った事業承継やブランディング、人事、生存戦略などを、SWOT分析の手法を用いて、現代のビジネスで参考になるようにまとめた。
「事業承継を検討している経営者が法務、税務の観点から最適解を発見できることを目的にまとめられたのが本書。同時に税理士や金融機関、コンサルティング会社の担当者らにも参考になるように仕上げてある。