与党の中小企業政策をめぐり、M&Aやグループ化による成長を促す議論が活発化している。政府の新しい資本主義実現会議は、企業の参入・退出の円滑化を図る上でM&Aの活用に着目。自民党中小企業・小規模事業者政策調査会も、戦略的なM&Aを活用しやすくすることで中小企業の規模拡大などを支援する政策提言の取りまとめ作業を進めている。
新しい資本主義実現会議の議論は6月に予定している「新しい資本主義」実行計画の改訂に向け、生産性の低下した衰退企業が事業撤退・廃業を決めた場合の退出支援などを検討。経営者と被雇用者の退出コストが大きければ、安定した資金力と人材獲得手段に欠けるスタートアップの参入リスクも高まることになる。
政府はポストコロナの経済活性化を目指し、国内のスタートアップを5年間で10倍に増やすスタートアップ育成5か年計画を進めている。着実な計画遂行には退出障壁の低減が求められるため、岸田文雄首相もM&Aの促進を含めた多面的な支援を展開する考えを表明している。
新しい資本主義実現会議の公表資料によると、2021年に4.4%だった日本の開業率は10%前後の欧米主要国に比べて低い。一方、日本の廃業率も2021年は3.1%にとどまり、開業率と同様に10%前後を維持している欧米主要国に及ばない。成長企業の参入と衰退企業の退出の鈍さは、経済全体の生産性を高める企業の新陳代謝を阻害するとの指摘が根強い。


事実、休廃業・解散企業の休廃業・解散直前の決算を見ると、黒字企業の割合は年々減少。2021年以降は6割を下回り、赤字企業の割合が増加している。経営の再起に向けた再生・倒産に関するOECD(経済協力開発機構)の指標からも、日本は再起が相対的に難しく、倒産予防の評価が悪い状況が見て取れる。
一方、後継者のいない企業が事業継続に関して相談した先は顧問の公認会計士・税理士が52.0%と圧倒的。民間のM&A仲介業者は7.9%で、国が全都道府県に設置した中小企業支援実施機関の事業引継ぎ支援センターは2.1%、よろず支援相談拠点は1.7%に過ぎない。よろず支援相談拠点に対する事業承継や廃業の相談は、2021年度実績で1.8%にとどまる。

そのため、新しい資本主義実現会議では、企業経営者が事業不振に陥った際はM&A・事業再構築・廃業などの幅広い選択肢について早い段階から専門家に相談できる体制確立の必要性を提起。新たに参入しようとするスタートアップの重要な人材獲得手段となるストックオプションの活用を進めるための法制、税制を整備するべきとの考え方も示している。
こうした中、自民党中小企業・小規模事業者政策調査会の議論も、新しい資本主義実現会議の方向性と歩調を合わせたものになっている。成長志向の中小企業がシナジーを得るためにはⅯ&Aを積極的に活用して競争優位を獲得するべきとの考え方に立ち、100億円企業の創出など規模拡大を進めやすくするための支援策を練っている。
同調査会の伊藤達也会長(元金融担当大臣)は自身のホームページで「Ⅿ&Aによる成長を実現し、規模拡大を進める企業をより一層増やしていくべく、政策の強化につなげていく」と強調。政府・与党のこうした動きから、従来は各種補助金の交付が中心だった中小企業政策の大きな柱としてⅯ&A の促進が据えられるかも注目される。
中小企業庁の研究会も、成長志向Ⅿ&Aの促進にかかる政策支援を議論している最中で、Ⅿ&A・グループ化を中小企業の生産性向上の重要な手段に位置付けた。Ⅿ&Aを実施した中小企業は、実施していない企業に比べて売上高と生産性が高いことから、政府もⅯ&A促進の検討を深める必要があると指摘している。
さらに、中小企業庁は中小企業の経営資源集約化等に関する検討会の中に、中小M&Aガイドライン見直し検討小委員会を設置。6月中旬の検討会で、小委員会の検討状況を報告することにしている。ガイドラインは事業引継ぎガイドラインを全面改訂して2020年3月に策定されたが、後継者不在企業にM&Aを促す手引きとして内容を充実させる。
文:M&A Online
1984年4月1日、アメリカのスタンフォード大学を卒業したジムサザン(Jim Southern)がNova Capitalを立ち上げたのが初めてのサーチファンドと言われています。
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