スタートアップの成長と発展を支援するカンファレンスIVS2024 KYOTO / IVS Crypto 2024 KYOTO」が2024年7月4日から6日まで、京都パルスプラザ(京都市)などで開催される。
2023年に次ぐ2年連続の京都開催で、2023年は1万人を超える人たちが参加し、スタートアップ関連では類を見ない大規模なイベントとなった。
実行委員会の構成メンバーとして、同カンファレンスを主催する京都府において実務面での中心的な役割を担う商工労働観光部産業振興課スタートアップ支援係課長補佐兼係長の中原真里さんに、開催の狙いや京都府のスタートアップ支援策などについてお聞きした。
―今年の「IVS2024 KYOTO / IVS Crypto 2024 KYOTO」の特徴は何でしょうか。
「IVS2024 KYOTO / IVS Crypto 2024 KYOTO」はグローバルなスタートアップ・エコシステムを構築するのが狙いで、昨年は初めて招待制を撤廃して一般の方にも参加していただくというチャレンジの年でした。結果的に、1万人の方にお越しいただき、大変嬉しく思っているのですが、世界的なカンファレンスに比べると女性比率が低く、海外参加者も少ないという課題が残りました。
このため、今年は昨年2割だった女性比率を、3割まで引き上げるとともに、海外の方々の割合も昨年の2割ほどから4割くらいにまで引き上げたいと考えています。また裾野を広げることについても、今年は早い段階から大学とも連携をさせていただき、学生さんに多く参画いただけるように取り組んでいます。
―女性比率を高めるために、どのようなことをされていますか。
会場内に女性活躍をテーマにしたエリア「EmpowerHER LOUNGE」を設けています。この中にはミニステージと交流ができるようなテーブルを設けており、家庭と仕事の両立や、活躍している女性起業家の方々の取り組みなどを発信し、若い女性の方々が自身のビジネスのイメージを広げていただけるような仕掛けを作っています。IVSに多くの女性に来ていただけるように今年4月末に、東京で女性を対象としたプレイベントを開催するなどPRにも力を入れています。
―海外参加者の増加についてはいかがでしょうか。
韓国や中国、台湾などのスタートアップの支援団体と早期から調整を行っており、集団でお越しいただけるような取り組みをしています。ブースに出展していただくほか、海外のスタートアップピッチなどを行う予定です。また、JETROとも連携をさせていただいて、JETROが海外から招待されるスタートアップの方々にも参画していただけるようにしています。
―学生の参加者を増やすための方策はどうですか。
例えば立命館大学さんと、お話を進めてきた結果、起業家育成に関するプログラムの一環として、私どもが事前にレクをして、当日に学生さん200人ほどに会場にお越しいただき、さらに事後にもフォローアップをするというような取り組み「IVS立命館スカラシップ」を実施します。
―昨年に続き今年も1万人規模の参加者を見込んでおられます。大きな数字ですね。
IVSは今回の京都で31回目の開催になりますが、京都の前の那覇では2000人ほどで、それ以前は数百人から1000人ほどと聞いています。
京都には研究者が多く、ディープテックなどの研究シーズがたくさんあるため、こうしたものをうまく活用できる可能性を評価いただいているかなと思っています。
また国内をはじめ海外の方々も京都だったら行ってみようと思っていただける、街の魅力も功を奏したのではないかと勝手に想像しています。
―スタートアップ京都国際賞なども設けています。
これは京都府独自の取り組みで、京都から世界に飛び出すようなスタートアップを生み出していきたいというのが趣旨です。こうした賞で優勝された企業は非常に大きな成長を遂げているケースが多いため、昨年に続き実施することにしました。
支援金として1000万円を用意しています。最終プレゼンで発表された事業計画に基づく事業活動を幅広に支援をさせていただきますので、かなり柔軟に使っていただけると思います。
―ところで、京都府ではIVSのほかにもスタートアップ支援策としてCRCC Asiaなどに協力されています。
CRCC Asiaは海外の大学生のインターンシップを支援している団体でして、日本の技術を学びたい、日本の企業の文化などを体感してみたいという海外の学生さんを招待しています。
京都のスタートアップが海外出ていく時に、ネイティブな方々の受け入れは重要なことですので、海外ネットワークや海外の人材を求める京都のスタートアップと、日本の技術や企業に興味のある海外の学生さんをつなげることを、CRCC Asiaと京都府が一緒になって取り組んでいます。
現在、アメリカやオーストラリアなどから30人ほどの学生さんが来ておられますので、IVSの会場にお越しいただけるよう働きかけています。
―京都府ではバイオやロボティクス、AI(人工知能)などの分野で、500社以上のスタートアップが現存していると聞きます。今後の起業の見通しをお聞かせ下さい。
スタートアップが生まれる数は2015年から2019年までの間は年間平均16、17社だったのですが、本格的にスタートアップの支援を始めた2020年以降は、多い年で60社ほど、少ない年でも30社ほどに増えています。これを少しでも加速していくことに取り組んでいきたいと思っています。
―今後の目標は何でしょうか。
我々には京都を世界的なスタートアップの拠点にしたいとの思いがあります。 世界を見ると、例えばベルリンでは4000-5000のスタートアップがあります。米国では1万を超えている都市もあります。具体的な数値を掲げている訳ではありませんが、京都が、こうした都市に伍していくためには、さらなる規模の拡大が必要であると考えています。
―どういった形の起業を予想されていますか。
京都には多くの大学があり研究シーズがたくさんあります。これらの研究シーズと国内外の経営に長けたビジネス人材のマッチングにより、最先端の技術で世界の課題を解決するディープテック・スタートアップが生まれることを期待しています。
文:M&A Online記者 松本亮一
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