主に以下のようなものがあります。
・業種内で相対的にESG関連の取り組みが進んだ企業を抽出する方法
・環境技術の研究など特定のテーマに関連した銘柄への投資
・国際規範に基づくスクリーニング
・環境、社会などESG課題について投資先企業と対話を行い、企業に直接働き かける(議決権を行使する)
・既存の財務分析や投資意思決定に非財務要因(ESG指標)を組み込む方法
またこれ以外に、例えば特定の業種を排除する(ネガティブスクリーニング)という方法もあります。こちらは歴史が古く、1920年ぐらいから宗教的、倫理的な理由から、「たばこ、アルコール、ギャンブル関連企業には投資しない」ということから始まっています。
当然のことながらESG投資の運用資産は増加しています。日本では機関投資家の運用資産における比率は、2016年は3.4%だったものが24.3%となっています。
ちなみにESG投資を積極的に進めているヨーロッパでは2016年の時点で52.6%とすでに投資のメインとなっています。2020年は41.6%となっていて、一見減少しているように見えますが、これは乱立するESG投資に対して一定の定義を設けたことにより、「ESGもどき」が排除された結果ということで1歩も2歩も先をいっている感じです。
日本でも遅ればせながらESGの制度化に関する動きが出てきています。2021年6月に、東京証券取引所は「コーポレートガバナンス・コード(CGコード)」を改訂し、CGコードにサステナビリティに関する様々な規定が加わりました。
特にサステナビリティに対する開示についても具体的に規定され、プライム市場を選択した上場会社は気候変動に関する情報について、 TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures) 等に基づいて開示の質と量の充実を進めていく必要があります。(補充原則3-1③)
TCFDとは企業が気候関連財務情報を開示する際の提言とガイダンスであり、その中では例えば「気候関連のリスクと機会がもたらす当該組織の事業、戦略、財務計画への現在及び潜在的な影響」を開示することが提言されています。
企業が気候変動にできること(CSR視点)ではなく、気候関連のリスクと機会が企業の与える影響及びそれに対応する戦略、計画(ESG視点)での開示をしていくことが必要になります。開示の前提となる活動を充実させていくことはもちろんのことです。
実態面、開示面ともにESG投資をより一層意識していく必要がありそうです。
文:辻さちえ(公認会計士・公認不正検査士)
株式会社ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.145 2021.12.23)より転載
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