数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。
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「メガバンク最後通牒 執行役員・二瓶正平」 波多野 聖 著、幻冬舎文庫
「二瓶正平シリーズ」の第3作目。1作目の「総務部」と2作目の「総務部長」で数々の難関をくぐり抜けた、東西帝都EFJ銀行に勤務する主人公の二瓶正平。本作では、ついに執行役員に就任する。その最初の仕事が地方銀行再編だった。
再編するのは東西帝都EFJ銀行傘下にある武蔵中央銀行、北関東銀行、坂藤大帝銀行の関東地銀3行。二瓶は3行統合によるSRB(スーパー・リージョナル・バンク)「グリーンTEFG銀行」づくりに奔走する。
とはいえ、単なる「銀行再編物語」ではない。出だしから東西帝都EFJ銀行上層部がSRBづくりに消極的なことが明らかになる。が、工藤進金融庁長官の「圧力」により、「グリーンTEFG銀行」の設立が本格的にスタートする。
しかし、二瓶の前途は多難。工藤長官はかつて中国資本による東西帝都EFJ銀行買収を影で支援していた人物で、SRBづくりの圧力をかけてくるからには必ず「裏」がある。
東西帝都EFJ銀行も行政からの「圧力」で渋々ながらゴーサインを出しただけで、二瓶率いる「グリーンTEFG銀行」準備室に送り込まれたのは、エリート揃いながら全員が1年後に転職を決めているという若手たち。
二瓶自身も旧東西帝都銀行に救済合併された旧EFG銀行のさらに前身の旧名京銀行出身という行内でも「外様」的な存在で、合併後に何度も苦い経験をして執行役員に昇りつめた。それだけに「グリーンTEFG銀行」に再編される3行社員のモチベーションにも最大限の注意を払わなくてはいけないというプレッシャーもある。難題山積のSRBづくりに二瓶は、どう立ち向かっていくのか?
テレビドラマで大ヒットした小説「半沢直樹シリーズ」とサラリーマン漫画の人気作「島耕作シリーズ」を足して二で割ったような作品だが、テンポよくスリリングなストーリー展開で、読者を飽きさせない。
二瓶の在籍する東西帝都EFJ銀行のモデルは三菱UFJ銀行、二瓶が入行した旧名京銀行のモデルは旧東海銀行だ。バブル経済崩壊後は都市銀行のM&Aが進んだが、現在は地方銀行再編の時代に入っている。菅義偉首相も「地銀再編」を経済政策の要として掲げており、本作で描かれるSRB創設は今日的なテーマと言えるだろう。(2020年10月発売)
文:M&A Online編集部
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