銀行のリテール部門は従来、いくら稼いだかの収益によって評価をされていた。収益目標は非常に厳しかったため、担当者を中心に多くの人が苦しんだが、ある意味、わかりやすい評価体系ではあった。
しかし、パワハラなどが問題になり、今は収益目標を課すことができなくなっている。
そこで今多くの銀行はストック収益に注目をしている。ストック収益とは、住宅ローンの金利収入のように安定的に入ってくる収益のこと。
例えば、投資信託の信託報酬がこれに該当する。一見すると、安定的な運営をするために非常に良いことのように思えるが、今この評価体系をめぐって多くの銀行が迷走しているのはご存知だろう。
ストック収益を重視した評価体系の場合、いかに投資信託やファンドラップなどのランニング収益を取れるかが重要になる。これらの収益が最も評価される体系になっているのだ。
残高を積み上げていけば、その分評価されるので、一見するとわかりやすい評価システムだと思われるかもしれない。
しかし、残高が減ってしまう=解約をされてしまうとランニング収益が大きく減ってしまうためマイナス評価になるのだ。
つまり担当者から見ると運の要素が非常に大きくなる。
また、そもそも投資信託やファンドラップなどは利益を上げて解約するためにあるのに、このような評価体系をとると、解約を止める担当者が出てきてもおかしくない。
今後、「解約を止められた」と大きな問題になる評価システムなのだ。
皆さんは営業と聞くと、営業成績を順に並べられるイメージがあるだろう。グラフなどにして視覚的にわかりやすくしている会社も多いかもしれない。
しかし、今メガバンクを中心に一切このような営業成績に順位をつけることができなくなっている。なぜなら、働き方改革の影響によって、パワハラへの規制が非常に厳しくなっているからだ。
しかしどうだろうか? 確かにランキングをしないのは良いかもしれないが、これでは達成感を得ることもできない。
支店長などの管理職は目標を個々人に伝えられないため、何のために管理職がいるのか分からない状況になっているのだ。この傾向は今後さらに続いていくだろう。銀行の営業担当者の力が弱くなると、収益の改善は厳しくなるだろう。
リテール部門には女性が多いため、女性が非常に昇進しやすい環境になっている。誰が支店長になっても大きな影響は無いからだ。
一方の収益期待が大きい法人部門に関してはほとんど女性の管理職はいない。つまり銀行のリテール部門は女性躍進に使われている要素が大きい。
先ほど説明した通り、管理職は一切担当者に詰める必要がないため、今やキバの抜けた虎になってるのだ。
今回は、銀行のリテール部門の収益体系について説明した。リテールは投資信託などの手数料が減っているためかなり厳しくなっているが、働き方改革の影響によりさらに窮地に陥っている現状がある。
文:渡辺 智(メガバンクに11年勤務。法人営業・個人営業に従事)
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