税務:令和5年度税制改正法案が国会に提出
2023年2月3日、令和5年度税制改正法案(所得税法等の一部を改正する法律)が国会に提出されました。改正法案の内容は多岐に亘り、実務上関心が高い論点が多く含まれていますが、そのうちの一つとして、令和3年税改正において導入された株式交付における株式の譲渡に係る譲渡損益課税の繰延措置に一定の制限が設けられたことが挙げられます。
令和3年4月1日に施行された令和3年税改正では、株式交付子会社の株主が、株式交付によりその有する株式交付子会社の株式を株式交付親会社に譲渡し、株式交付親会社の株式の交付を受けた場合、その譲渡した株式交付子会社の株式の譲渡損益について課税繰延べを受けることができるという課税繰延制度が導入されました。そして、当該課税繰延制度は、株式交付を活用することで、オーナー株主が、課税繰延措置を受けながら、保有する株式資産を自己の資産管理会社へ移管することができる点で注目されていました。
今回の令和5年税制改正法案において、株式交付直後の株式交付親会社が、法人税法2条10号の同族会社に該当する場合には、当該課税繰延措置が利用できなくなりました。なお、改正法案の中では経過措置が設けられており、当該改正に係る規定は、令和5年10月1日以後に行われる株式交付について適用され、同日前に行われた株式交付について、なお従前の例によることとされています。
令和5年税制改正の内容は、今般提出された改正法案により詳細が判明した部分もありますが、今後の国会での議論や後日公表される財務省令の内容についても引き続き注視する必要があります。
<参考資料>
「所得税法等の一部を改正する法律案」(財務省 HP)
「近時のストックオプション税制等の動向について」(TAX LAW NEWSLETTER 2023 年2 月号(Vol.55))
「令和 5 年度税制改正大綱―グローバル・ミニマム課税の国内法制化に係る実務上のポイント―」(TAX LAW NEWSLETTER 2023 年 2 月号(Vol.54))
パートナー 大石 篤史
アソシエイト 中村 太智
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