現在、英国法人と他のEU加盟国法人との間のM&Aには、国境を越えた合併に関する指令(Cross-Border Merger Directive)が適用されています。英国がEUを離脱し、この適用を受けなくなる場合には、英国法人とEU加盟国法人との間のM&Aの手続きが大きく変更になる可能性があります。さらに、かかる合併に関する税制も併せて変更される可能性があります。また、現在のEU競争法の企業結合審査においては、複数のEU加盟国の法人を当事者とする一定のM&Aについて、EU合併規則(the EU Merger Regulation)により、欧州委員会の承認を得れば、当該個々のEU加盟国において承認を得ることは不要とされていました(ワンストップショップ)。しかし、英国がEUを離脱し、この適用を受けない場合には、英国における手続きとEUにおける手続きの双方を行わなければならなくなる可能性があります。
EU市場へのアクセスの良さから、英国には多くの日本企業が進出し、持株会社や統括会社を設立し、あるいは製造拠点を設置してきました。今後英国への進出を検討している日本企業や英国法人に関連するM&Aを検討している日本企業は、適用されるM&A法制について注視する必要があります。
弁護士 大石 篤史
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弁護士 山川 佳子
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文:森・濱田松本法律事務所Client Alert 2016年7月特別号より転載
森・濱田松本法律相談事務所の「Client Alert」のM&AOnlineでの配信3回目は、株式取得時の取締役及び監査役らに対しての善管注意義務違反とそれを否定する旨の判決例を紹介する。
森・濱田松本法律事務所が配信する「Client Alert」より。今回は、ISS 議決権行使助言方針における買収防衛策基準の厳格化をテーマに取り上げる。