ルネサスエレクトロニクス<6723>は、GaN(窒化ガリウム)パワー半導体を手がける米トランスフォーム(カリフォルニア州ゴレタ市)の買収を完了した。GaN製品の強化により、パワー半導体事業の競争力を向上させるのが狙い。買収額は約492億円。
GaNは従来のSi(シリコン)に比べ、電力効率に優れ、スイッチング周波数が高く、小型化が可能なことから、次世代パワー半導体のキーテクノロジーとして期待されている。
ルネサスによると、GaN(窒化ガリウム)パワー半導体はEV(電気自動車)やデータセンターのサーバー、AI(人工知能)処理、再生可能エネルギー装置、産業用電力変換装置などでの需要を背景に今後10年間で年率30%以上の急成長が見込まれ、2028年には約1兆円市場になると予測されているという。
ルネサスはM&AでGaN技術を獲得したことにより、高効率化、小型化、軽量化、システムの低コスト化を実現できるワイドバンドギャップ(WBG)半導体製品を強化する。すでにGaN半導体とプロセッサーやコネクティビティー、アナログ、パワーなどの半導体製品を組み合わせた15種類の「ウィニング・コンビネーション」を発表している。
ルネサスのクリス・アレクサンドル執行役員兼パワー担当ジェネラルマネージャーでは「今回の買収により、顧客に革新的で高効率なパワーソリューションを提供する。これによりEVの普及やデータセンターの電力効率化など、社会課題の解決に貢献できる」と期待している。
ルネサスはパワー半導体事業の強化を進めている。2024年4月にはパワー半導体増産のため、2014年に閉鎖した甲府工場(山梨県甲斐市)を再稼働。試作を経て2025年1月から本格生産に入る予定だ。同工場の本格稼働で同社のパワー半導体生産能力を、現在の約2倍に引き上げる。
パワー半導体市場は世界トップの独インフィニオン・テクノロジーズと2位の米オン・セミコンダクターがリードするが、日本勢もIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)デバイスで世界トップの三菱電機<6503>はじめ、東芝、富士電機<6504>、ローム<6963>などが存在感を示している。
ルネサスは車載向けのパワー半導体が主力だが、トランスフォームの買収で強化するGaNパワー半導体をテコに自動車関連以外の市場を拡大していく方針だ。
文:糸永正行編集委員
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