都市ガス最大手の東京ガス<9531>は、マンションの塗装、防水などの外壁工事や共用部分の内装工事を手がけるマルリョウ(東京都昭島市)と、マルリョウ傘下のあすなろ工房(埼玉県戸田市)を子会社化した。
マンション修繕のソリューション(問題解決)強化が狙いで、子会社の東京ガスリノベーション(東京都品川区)を通じて実施した。
東京ガスリノベーションは、専有部のリフォーム工事や給排水設備の更新工事、ガス、空調、消防、電力、通信などの設備工事を行っており、これに塗装、防水工事などが加わることで、マンション修繕で総合的なソリューションを提供できるようになる。
東京ガスは2026年3月期を最終年とする中期経営計画「Compass Transformation 23-25」の主要戦略の一つに「ソリューションの本格展開」を掲げており、今回のマルリョウの子会社化はこの一環。
今後も課題を解決するさまざまなソリューションを創出、提供するとしており、ソリューション強化を狙いにしたM&Aがこの後も続く可能性は高そうだ。
東京ガスによると、管理組合役員のなり手不足や、建設業界の人手不足などにより、修繕に対する不安を抱えるマンションが少なくないという。
同社ではこうしたマンション所有者や管理組合が抱えている問題や不安の軽減につながると判断し、マルリョウとあすなろ工房の買収に踏み切った。
両社はともにマンションの塗装と防水工事を手がけており、従業員数は2024年4月1日時点でマルリョウが59人、あすなろ工房が8人となっている。
東京ガスは中期経営計画で、GX(グリーントランスフォーメーション=温室効果ガスを削減し、社会システム全体を変革する取り組み)と、DX (デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術で生活やビジネスを変革する取り組み)を取り入れ、ソリューションを強化するとしている。
この取り組みによって、マンション修繕をはじめ省エネや脱炭素、ESG(環境、社会、ガバナンス)型不動産開発、まちづくりなどをエネルギーに次ぐ事業の柱に育てる方針だ。
この目標の達成のために2024年3月期から2026年3月期までの3カ年に、成長分野に6500億円(うち脱炭素関連2300 億円)、基盤分野に3500億円の合計1兆円の投資を行う。
一方、中期経営計画中の業績の方は思わしくない。2023年3月期はガスの原料費調整による売上単価の上昇や電気の販売量の増加などにより、売上高は前年度比52.7%増加し、営業利益は同3.3倍と大きく膨らんだものの、2024年3月期は一変し、ガスの原料費調整による売上単価の低下と電力の販売量の減少などにより、19.0%の減収、47.7%の営業減益を余儀なくされた。
2025年3月期もこの傾向は変わらず、売上高は同0.8%減の2兆6420億円、営業利益は同48.7%減の1130億円と、2期連続の減収営業減益を見込む。
M&A投資は、この減収減益の流れを反転させることはできるだろうか。

文:M&A Online
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