司法試験の論文式はアウトプットで「三段論法」を意識する
司法試験で昔から多くの受験生が苦しんできた論文式試験。旧司法試験に一発合格した筆者が論文式試験の基本的な勉強方法を伝授します。
渋沢栄一『論語と算盤』(角川ソフィア文庫版)にこのような一節があります。
「真正の利殖は仁義道徳に基づかなければ、決して永続するものではないと私は考える。」(「真正の利殖法」より)
これは、孟子の「梁惠王上」にある「なんぞ必ずしも利を曰わん、また仁義あるのみ」からきているのです。
渋沢栄一はとても「仁義」が好きで、この本で何度も何度も出てきます。そもそも、冒頭に根幹として「富をなす根源は何かといえば、仁義道徳」と言い切っているのです(「論語と算盤は甚だ遠くして甚だ近いもの」より)。
これを、儒教の中にある封建的な忠心(まごころをこめて勤めを果たす、あるいは国や上の者に仕える)、孝悌(親、兄など目上に尽くし従う)を合わせて考えてしまうと、またしても、私たちの生きている現代にはそぐわないケースが出てきてしまい、とても窮屈な考えになっていきます。
ミッション・ビジョン・パーパスを、窮屈な、自分たちの行動や発想を縛る掟のようなものにしては、成長は止まります。実際に、どの企業も、しょっちゅうではありませんが、ミッション・ビジョンは変革していきますし、パーパスも時に応じて変化していきます。
この変化を促すのが、仁義に関与してくる「智」であり「礼」であり「信」だと言えます。つまり、仁義の根幹は普遍性を持っていますが(究極としては「愛」なのでしょう)、それを時機に応じて変化させていくのが、「智、礼、信」なのです。
主忠信徒義、崇徳也(誠と信を第一にして義へ向えば、徳を高めることになる)ということは、パーパスの設定のために、誠と信を基礎としてほしい、と解釈できるのではないでしょうか。本質に根ざしたパーパスを設定しなければ、結果に結びつかないのです。
信義、という言葉はこうした意味を持っているのではないでしょうか。真心を持って約束を果たすことを「信義」と言いますが、そこには、信に基づいた義(パーパス)があるのです。
次回、は「智(知)」と「仁」「義」の関係について、考えていくことにしましょう。
※『論語』の漢文、読み下し文は岩波文庫版・金谷治訳注に準拠しています。
文・舛本哲郎(ライター・行政書士)
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