「論語」の「巻第五 子罕第九」の冒頭には、「子罕言利與命與仁」とあって、孔子は利益、運命、そして仁についても多くを語っていなかったことが記されています。
そして同じセクションに「知者不惑、仁者不憂、勇者不懼」とあります。「知を重視する人は惑うことがなく、仁を重視する人は憂うことがなく、勇を重視する人は恐れることがない」と言うのです。
子の曰わく、知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず。
(巻第五 子罕第九)
知を重視すれば、私たちは惑わされることが少なくなり、仁を重視すれば心配することが減っていくというのですが、知と仁の関係はどうなっているのでしょうか?
なお、「論語」では「知」が使われ、その後の儒教では「智」が多く(孟子)、その意味は微妙に違いますが、この連載ではほぼ同じとして進めていきます。
知を重視すれば、私たちは惑わされることが少なくなり、仁を重視すれば心配することが減っていくというのなら、ここでいう知と仁の関係はどういうことなのでしょうか? 前回(ミッション・ビジョン・パーパス|M&Aに効く論語8)からさらに進めたモデル4をご覧ください。
モデル4 仁、義、そして智(知)

仁義の根幹は普遍性を持っていますが(究極としては「愛」なのでしょう)、それを時機に応じて変化させていくのが、「智、礼、信」なのです。
「智(知)」には、叡智、知性、知識、知力、経験知などさまざまな「知」が含まれています。
そして「智(知)」は、「仁」の「ミッション/ビジョン」という世界と、「義」の「パーパス/ウェイ」の世界と深くつながっています。
前回は義=パーパスとしていましたが、これは企業によってはウェイ(Way)とも呼ばれているので、今回は追加しています。自分たちの流儀、やり方として「これはやる、これはやらない」と決めるときの軸になる考えが、仁と義にはあるのです。
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