ちなみに、『言志耋録』の340条には末尾に佐藤一斎の三男の名が記され、編纂に手を貸していたそうです。一斎は80歳から執筆して、刊行は83歳。そして88歳で永眠しました。亡くなる前に人間の最期についてしっかり記しておこうとしたようで、この終盤には「養老の法」であるとか人生の計画、孫が可愛いといった老境、そして死ぬことについての条が並んでいます。ご興味のある方は一読してみてください。
このように、いわば死生観であるとか、生死についての話がどうしても多くなりがちな『言志耋録』から、49歳で波瀾の人生を終えた西郷隆盛はどのような言葉を選んだのでしょうか。
「心静にして方(まさ)に能く白日(はくじつ)を知り、眼(まなこ)明にして始めて青天(せいてん)を識(し)るを会す」とは、此れ程伯(ていはく)氏の句なり。青天白日は、常に我に在り。宜しく之れを坐右に掲げ以て警戒と為すべし。(『言志耋録』 57 青天白日は我にあり)
●晴れ渡った心
「心が静かな時に、輝く太陽の有難さを知ろう。眼がはっきり見えている時に澄み渡った大空の爽快さを知ろう」とは程明道、つまり程顥(ていこう)の句である。このように青天白日は自分の中にある。座右の銘として自分を戒める言葉としたい。
青天白日とは中華民国の国旗としても知られていますが、晴れわたった空と日の光のこと。心にやましさがなく、後ろ暗さがない状態。無罪であることや無実が証明される意味でも使われています。程顥は中国、北宋の思想家で明道先生と呼ばれ、道学の創始者。人望が厚いことで知られていました。
西郷のモットーである「敬天愛人」にも通じるものがあります。彼の行動をこの言葉を通して考えると、長州征伐、大政奉還、戊辰戦争、西南戦争と、そのつど、恐らく自分のなかにある青天白日に沿って決断していたのかもしれません。それを外から見て、あれこれと批判するのは簡単ですが、人の生きる道として大事なこととして、自分の心にやましさのない決断を下すことが大事なのです。
そのとき、佐藤一斎による「自己」についての独特の考察が参考になります。
真の己れを以て仮の己れに克(か)つは、天理なり。
身の我れを以て心の我れを害するは、人欲なり。
(『言志耋録』 40 真の己と仮の己)
●仮の自分に負けるな
真の自分は、仮の自分に勝つのが天の道理だ。肉体の自分が心の自分に害を及ぼすなら、それは人の欲望がそうさせているのだ。
人には欲があります。肉体が求める欲望はその代表例でしょう。衝動です。衝動に突き動かされるのも人間なら、それを「これは本当の自分じゃない」と冷静に判断して、自分を欲望から守ることができるのも人間ならではのことでしょう。青天白日の心を汚さないためには、衝動や欲望の制御が求められるのです。
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