【M&A判例】買収防衛策が「適法」と判断されたブルドックソース事件
敵対的買収の防衛策に「ポイズンピル」という手法があります。今回は、買収防衛策が「適法」と判断された最高裁の判例(ブルドックソース事件)をわかりやすく解説します。
M&A:インサイダー取引に関して業務提携等(重要事実)の決定時期が争点となった裁判例
東京地裁は、2021年1月26日、X社の取締役である原告が、その職務に関し、X社の業務執行を決定する機関がX社とY社の業務上の提携を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら、法定の除外事由なく、当該重要事実の公表より前にX社株式を買い付けたとして、金融庁長官による課徴金133万円の納付命令(金融商品取引法185条の7第1項)を取消す判決を下しました。
本事案では、X社とY社が、業務上の提携を行うことについての決定をした時期が争点となりました。東京地裁は、「業務上の提携」の実現可能性があることが具体的に認められることは要しないものの、「業務上の提携」として一般投資家の投資判断に影響を及ぼす程度に具体的な内容を持つものでなければならないと解すべきとしています。
その上で、東京地裁は、X社及びY社間で秘密保持契約書が締結された時点で「業務上の提携」があったかについて、当該秘密保持契約書が締結された際の打ち合わせでは、業務提携の規模や内容に関する話がされた形跡は無く、一般投資家の投資判断に影響を及ぼす程度に具体的な内容の決定がされたということはできないと判断し、業務上の提携の決定を否定しています。
本判決は、業務提携等を行う場合のインサイダー取引規制の実務に影響を与える可能性がありますが、国は本判決に対して控訴を行っているようであり、控訴審の判決が注目されます。
パートナー 大石 篤史
アソシエイト 齋藤 悠輝
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