資本業務提携の必要性・合理性を勘案し不公正発行に該当しないと判断した高裁決定(高決令和4年2月10日)
大阪高裁は、経営支配権争いの中で資本業務提携契約を締結することを目的として行われた新株発行が「著しく不公正な方法による」ものであるとして(会社法210条2号)、その仮の差止めが求められた事案において、既存株主の持株比率を大幅に低下させることにより会社の現経営陣の支配権を維持することが新株発行の目的の一つであったとしても、新株発行による会社と第三者との資本業務提携が実態を有するものであることを踏まえれば、その目的が新株発行の主要な目的であるとまでは言えないとして、「著しく不公正な方法による」新株発行には当たらないと判断しました(大阪高決令和4年2月10日)。
新株発行につき複数の目的が併存している場合においては、新株発行が現経営陣の経営支配権の維持・確保を主要な目的として行われるときに「著しく不公正な方法による」発行に当たるとする基準(主要目的ルール)が裁判上定着しています。近時の裁判例においては、経営支配権争いのある場合の新株発行について事業上の合理性を否定し、その差止めを認める事例も見られるところですが、本決定は、支配権争いのさなかに行われた資本業務提携についても、事業上の必要性・合理性があるとして、新株発行の差止めを認めませんでした。主要目的ルールの運用に関する裁判所の判断については、今後も注目する必要があります。
パートナー 大石 篤史
アソシエイト 木内 遼
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